【看板屋さん必見】京都市の看板、そんな簡単に付けたらあかんえ!?~2007年京都市…ラスボス覚醒⚠️の話編~ ㉖

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【看板屋さん必見】京都市の看板、そんな簡単に付けたらあかんえ!?~2007年京都市…ラスボス覚醒⚠️の話編~

🎙️ ナレーション(重低音)
あの年、街は静かに変わりはじめていた──
誰にも気づかれぬまま、景観という名のルールが、牙を剥いた。

こんにちは、株式会社アメカンの「ameの方」です🧑‍🎤
今日は、看板屋としての人生を揺るがした「あの年」について語らせてください。

それは、ただの条例改正ではなかった。
この業界に生きる者たちの価値観を揺さぶる、大きな転換点やったんです。

今では当たり前になった「高さ制限」も「マンセル値」も、
あの時代の僕らにはまるで、景観という名の魔法陣に迷い込んだかのような出来事やった。

  • 図面を描いても“規定超え”で戻され、
  • 色を指定すれば“彩度過剰”で却下され、
  • 光らせれば“発光強すぎ”で沈められる。

そのすべてが「景観のため」という、大義名分のもとに進んでいた。
そして、それが正しいことも、頭では分かっていた。

でも、看板に込められた想いまでもが“規制”されていく感覚に、どこか寂しさを感じていたのも事実です。

この物語は──
そんな“転換の時代”を、ひとりの看板屋の視点で振り返る、
ちょっと笑えて、ちょっと切ない「景観維新」の記録です。

🕰️ 第1章:それはまだ、看板が自由やった時代

2006年までの京都市。

屋上に、そびえ立つ看板たち。
街角には、袖看板がズラリと並び、
夜になれば、色とりどりの光が通りを染めた。

📸 ひと昔前の写真を見ればわかる。
それはまるで、看板たちが街と一緒に「息をしていた」時代。

商店街の入り口にぶら下がる手書きの電飾、
銭湯の煙突から突き出たアドバルーン、
タバコ屋の軒先を照らす、半世紀モノの蛍光灯看板──

全部、どこか不格好で、でもその街の“顔”やった。

けど──
その風景に、終わりが来たんや。

⚡️ 第2章:そして、ラスボスは目覚めた

🎙️ ナレーション
2007年、京都市は、看板界に“メテオ”を落とした──

この年、屋外広告物条例がガラッと改正された。

  • 🏢 屋上看板 → 「原則、全員下ろしてもらいましょうか
  • 🎨 色 → 「その赤、マンセル値で引っかかってます
  • 💡 光 → 「光る?知らん。黙って落ち着き

なんやねん、「マンセル」て誰やねん。
急に出てきて何仕切ってんねん。

これまで“勢いとノリ”で突き進んできた看板たちに、
突如、冷静すぎる風紀委員みたいなルールが襲いかかった。

📜「2007年、景観のルールが下された日

🧑‍🔧 第3章:職人たち、困惑する

え、うちの白って白ちゃうん?
高さ?えっ、20cm超えたらあかんの?
看板て…自由じゃなかったん…?

申請は通らない。手戻りは増える。発注主は泣いてる。職人も泣いてる。
そして市役所の職員も…ちょっとだけ困ってる(たぶん)。

それでも、オレたちはあきらめへんかった。
**「景観に優しく、でも目立つ看板」**をつくるために。

🏯 第4章:ルールは敵か?

いやな、敵ちゃうねん。ほんま。

2007年の改正にはちゃんと理由があった。

  • 観光客の増加
  • 世界遺産の街としてのプレッシャー
  • 歴史的風情を次世代へつなぐ使命

つまり、京都市は本気やったんや。
**「この町を、美しいまま残すんや!」**って。

でも、言い方だけはもうちょっと優しくしてほしかった。

この配色…うるさいですね
て。うるさいって、こっちの心がうるさいわ。

🌈 第5章:それでも、立ち上がる看板屋たち

📣「目立ちたい飲食店」
🎨「色で遊びたいサロン」
💡「光で誘いたい夜の店」

みんな、想いがある。
オレたちもその気持ちに応えたい。

だからこそ、ルールを学び、くぐり抜け、
『映えるけど、怒られへん看板』を提案する。

これが、令和の看板屋の戦い方や。

📝 最終章:2007年、それは試練であり、進化であった

屋上看板の撤退

マンセル値という“色の物差し”の出現

光源、素材、面積、位置…そのすべてに規定が敷かれた

でもその結果──

街は、静かに、美しく整い始めた。

そしてその裏で、
申請に再提出を重ねた看板屋たちの物語が、静かに存在していた…


というわけで今回は「あかんえ!?~2007年京都市…ラスボス覚醒⚠️の話編~」でした!

株式会社アメカンの「ameの方」でした!
今回もご拝読おおきにでした!

※ちなみに「canの方」は、2007年の新ルール発表の日、金閣の前でなにやら叫んでたらしい。

「景観の時代やからって、オレの情熱まで景観化されたら困んねん!!」

その場で、申請書握りしめたまま職員に突撃。

結果、

  • 開口3秒で却下通知📛
  • 発言の8割が“情熱”で構成されていたとして議事録にも記録されず
  • 金閣寺の周囲に「声がうるさい注意」看板が増設されたらしい(たぶん)

……いまだに彼の名前が出た時だけは、提出窓口で静かにざわつくという。

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