【看板屋さん必見】京都市の看板、そんな簡単に付けたらあかんえ!?~番外編:腐食銘板の話編~ ㉕

【看板屋さん必見】京都市の看板、そんな簡単に付けたらあかんえ!?~番外編:腐食銘板の話編~
こんにちは〜! 株式会社アメカンの「ameの方」です🧑🎤
今回は、“看板界の伝説”とまで言われる、あの渋すぎる存在。
けどな、本人(?)はこう言うんですわ。
「いや、ボクはただ、そこに刻まれてきただけやねん。」
伝説の自覚ゼロのまま、 今日も壁の上で、じ〜っと時代を見とる――
その名も… 🛡️ 腐食銘板(ふしょくめいばん)
🕰️ ボクの始まりは…1950年代やった
…あ、そうそう。
伝説扱いされるたびに、よぉ聞かれるんや。
「いったい、いつ誕生したんですか?」って。
ま、それに答えるのも、ボクの仕事かもな。
ボクがこの世界に姿を現したのは――
1950年代の日本や。
戦後、街が急速に復興して、
企業がどんどん立ち上がっていって、
「ここに、会社がある」「ここに、お店がある」
…そんな名前を“長く残す”ことが大事やって時代になった。
けどな、当時の看板って、
ペンキや木製やったから、風雨ですぐボロボロや。
「もっと強い看板ないんか?」
「文字が消えへんヤツ、作られへんか?」
──そう言われて生まれたのが、ボクやねん。
真鍮やステンレスの板に、
酸で“わざと”腐食させて、文字を刻む。
溶かされるって、そら痛かったで?
でもな、
それが「永く残る」ための第一歩やったんよ。
その時から、ボクはずっと、
“時間と風景を背負う”看板であることに誇り持ってる。
でもな、あくまで誇りやで?
“伝説”ちゃうで?(←ココ重要)
🧓 「どうも、ボクです。」
ボクか? ボクはただの金属板やで。
真鍮とか、ステンレスとか、銅やったりもするな。
で、“腐食”ちゅう技法で、
表面をちょっとだけ溶かされて、
名前とかロゴとかを彫られてる看板なんよ。
まさに、**「耐えるために生まれた」**存在。
言うたら、世界初の“高耐候系”金属看板やな。
🧙♂️ そんなん言うから、また伝説扱いされんねん
看板屋の若いのがボクを見て、言うんや。
「…あれが、伝説の…」
ちゃうちゃう、やめてや!
「腐食銘板が語る時、世界が動くってほんまなんすね…!」
そんなん言うなや〜💦
こっちはもう、ただ壁で静かに風浴びてるだけやっちゅうねん。
「うわ、真鍮の酸洗い入ってる…ガチのやつやん」
いやそれ、普通やから。
「文字、彫り込みじゃなくて浮き出し!?さすが伝説…」
せやから、そういうのが普通やった時代があってんて。
「さすがボクらの“伝承の盾”…」
それ**ドラクエやろ!**🤣
📜 「そして伝説へ…」言うてもボクは…
ボクが看板の主役になれる時代は、もう終わったんかもしれへん。
だって今は、LEDが光って、アクリルが透けて、
ピカピカの箱文字が「映える〜」言われてる時代や。
ボク?
渋い。
地味。
音も出ぇへん。
光らへん。
でもな。
今でもボクを選んでくれる人は、ちゃんとおる。
「建物に歴史があるから、看板も合わせたい」
「風雨に耐えて、何十年も残るようにしたい」
そういう声を聞くたび、
ボクはもう一度だけ、腐食される覚悟を決めるんや。
溶かされるん、めっちゃ沁みるんやけどな。(地味に痛い)
でもな、
“名前を刻む”って、そういうことやろ?
🏛️ ボクが伝説扱いされてしまう理由
・世界初の高耐候金属サイン
・彫り or 浮き出しで半永久的に視認性キープ
・金属の経年変化も「味」になる
・高級感・重厚感がケタ違い
・どの時代も、静かに風景に馴染む
そら、周りが「伝説や!」言いたがるのもわからんでもない。
せやけどボクは、
自分のことを伝説とは思ってへん。
ただ、そこに名前が刻まれて、
ただ、誰かの歴史に寄り添って、
ただ、風と時間を見送ってきただけ。
…せやけど、最後にこう言われたら、
ちょっとだけ、背中がむずがゆくなる。
「ボクの看板、30年後もそこにありますように。」
…うん。
たぶん、ボク、まだおると思うで。
ほんで、気づけばまた、
「そして伝説へ──」って茶化されるんやろなぁ。笑
まとめ:伝説?いやいや、ただの腐食看板ですわ
華やかなLED看板に囲まれて、
ピカピカのアクリル板がウィンクしてくるこの時代。
そんな中で、ひっそりと壁の隅に立ってる金属の板。
それが、ボク。
でもな、誰よりも風を知ってて、
誰よりも雨に打たれて、
誰よりも長く、名前を守ってきた自信だけは、ある。
これからも…
溶かされて、削られて、無口なまま、
そっと、誰かの看板を支えてると思う。
ほんで時々、また誰かに言われるんやろなぁ。
「あれ…もしかして、伝説の──」
やめろ、やめろ!😆
というわけで今回は
「あかんえ!?〜番外編:腐食看板の話編〜」でした🔦
次回は誰に語ってもらいましょうか(笑)
株式会社アメカンの「ameの方」でした!ご拝読ありがとうございました!
※ちなみに「canの方」は、腐食銘板の前で遠い目しながらつぶやいてました。
「この静かな町にも、
かつて…ひとつの伝説があった――」
「その名も、“ふしょくのけんばん”!」
……ちゃうねん、
“銘板”やし!剣ちゃうし!🤣

